なつくもゆるる レビュー

 ども。センヤです。

 最近エロゲ及びブログのモチベーションが高くてですねー。思ったより早く次の作品が終わりました。というわけで今回レビューする作品はこちら。

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 すみっこソフトさんの「なつくもゆるる」です。これも前回レビューを書いた作品と同じく10本1万円セールで購入したやつですね。まぁ、見て分かるようにロリゲー

ではないんですねこれが。これは、すみっこソフトさんが出している四季シリーズと言われる作品群の二作目にあたる作品です。四季シリーズの特徴としては、壮大で緻密なSF設定が根幹にあることが挙げられます。うっひょーロリだー!と思ったそこのロリコンさんは注意してください。これはロリゲーの皮を被ったシナリオゲーです。

 

 

あらすじとか (公式サイトより引用)

 ヒッポカムポス機能不全及びBDNF発達障害。通称、自殺病。

 簡単に言ってしまえば自殺する可能性が高くなる病気。壁川学園は、この病を発症もしくは発病前の学園生達を集めた、全寮制の学園。

 学園生達は夏休みの間、実家に帰ることが許されているのだけど......。

 新型咽頭結膜熱に感染してしまった当麻進は、病気から回復後も体内にウイルスが残っている可能性がある、という理由で2週間の外出禁止を命じられてしまう。

 当麻進と同じ理由で学園に残ることになったのは、同室で人妻好きの三田舜。スコップを振り回す狭霧紫穂。生物部長の水名りね。会長の鹿島ユウリ。それと、遊びに来ていて感染の疑いありと判断された妹の当麻姫佳。合計6人。

 女の子4人には、普通の学園生よりも成長が遅い、という特徴があって......。

 2週間の外出禁止期間を学園内でそれなりに楽しく過ごしていた6人だが、ある日の夜、停電が発生。停電の理由を探している中で、学園から教師も寮監も保健室の先生もカウンセラーも、6人以外の全員が消えていることに気付く。しかも、電気だけじゃなくて、ガスも水道も停止。

 6人は壁川学園の隣にある、壁川町へ出かけるが、そこで見たものは、誰もいない廃墟と化していた街だった。

 いったいここで何がおこっているんだろう?

 どうしてこんな場所に自分達は取り残されたんだろう?

 調べていく中で少しずつわかっていく世界の秘密。自殺病の本当の意味。重力の異常。狂っていく時間。幼いことの本当の意味。

 夏休みの学園で見つけた、世界の終わり。少しも嘘なんかじゃない、本当の世界の終わり。

 そして、世界の終わりを許さない、少年と少女達の物語。

 

(手打ちであらすじ全部入力した)(死ぬほど面倒だった)

 

ネタバレなしの感想

シナリオ     B+  情報の出し方が前作より進化して、テンポが悪化した

キャラクター B  魅力的なキャラは多いものの、それを全面に押し出す作風ではない

CG          B     幼女可愛いよ幼女

音楽     B+   空気を引き締めるかっこいいBGMが良い

総合評価   B+   期待通りの高品質なシナリオゲー

 

 期待した通りの壮大なSF作品でした。前作よりもキャラの扱いは上手くなっていますが、ギャグによるテンポの悪さが少し目立った印象。個人的には前作の方が好きかな...。

 

ネタバレあり感想

共通ルート B

 共通というかバッドエンド?でしょうか。

 はるまで、くるる。とおおむねノリが同じだったので、感想も同じでした。生物部の活動内容や終盤の展開など、本筋に関わりそうな部分は面白く読めたのですが、ギャグがあんまり面白くない...。勢い任せなツッコミがあんまり好みではなかったです。なので、基本日常パートは滑り倒してて正直退屈でした。ただ、作品全体に見え隠れする狂気や頭のねじが外れたキャラの描写ははるくる同様よく出来ていました。常に張り詰めたような緊張感が漂っているというか...。何かの拍子にあっさり決壊するような危うい日常の描写が上手いんだろうなぁ。

 ヒロインの好みはユウリ、部長、姫佳、紫穂の順です。ぶっちゃけロリは対象外なので...じゃあ何でこの作品をやっているのかというと、まぁSF的な部分が面白いからなんですね。なのでヒロインとのイチャイチャとかは端から期待していないです。勿論可愛くはあるんですけど、さすがに容姿が幼すぎてヒロインとしては見れないというのが本音です。ユウリは中身が一番大人っぽい。部長は見た目が一番大人っぽい。いや乳だけですけど。本来ロリ巨乳という属性は嫌われがちですし私も好きではないですが、普通のロリよりも見た目で多少大人な部分がある、という点で普通のロリよりもヒロインとして見ることができます。それに部長は中身もそれなりにしっかりしてますしね。姫佳も可愛いですが、私が別に妹好きではないという理由で三番目。一番メインっぽい立場にいる紫穂ですけど、正直共通時点では一番苦手です。中身が見た目相応かな?ってくらいに幼い。唯一ヒロインとして見れない子でした...。

 

姫佳ルート B

 少しづつこの作品の本性が顔を出し始めるルート。

 やっぱり恋愛的な要素はかなり薄めでした。それらしいイチャイチャイベントも殆どないままに展開が矢継ぎ早に進んでいく。姫佳は可愛いとは思うのですが、どうしても印象は薄かったです。まぁ、最初からイチャイチャに期待はしていなかったんですけど。

 このルートの見せ場はやはり後半。関節バトルとはまた斬新というかなんといか...。初めて見るタイプのバトルで結構楽しめました。しかし、どうしても動きが複雑になるので、頭の中で文章から動きを組み立てるのが大変でした。短めのセンテンスを多用してスピード感を出そうという試みは見られたのですが、やはりどうしてもテンポが悪く感じてしまいました。CGを使って動きを分かりやすくしてほしかったです。

 やはり本筋が動き出すと面白いのですが、ギャグはどうにもなぁ...。

 

りねルート B+

 見た目が好きだったりね先輩ルートですが、内容もかなり面白かったです。

 完全にSFものとしてこの作品を認識していたので、恋愛で始まって恋愛で帰結したのがすごく意外でした。馴れ初めこそ曖昧な感じでしたが、それなりに恋愛模様も楽しめたような気がします。

 ヒロインが全員幼女なのに理由があるだろうことは予測できていたのですが、りねが巨乳であることにもちゃんと理由があってびっくりしました。ただの属性的おっぱいではなかった。

 終盤でまた大きな謎が明かされました。今作は情報の出し方が凄く上手い。「はるまで、くるる。」は一挙に全貌が明かされるので種明かし編でダレたような印象があったのですが、この作品はそこを克服しているように思います。情報を小出しにして常にプレイヤーの興味を惹きつけるように書かれている。ここは間違いなくなつくもの良い点でしょう。

 

ユウリルート B

 だいぶこの作品の性質が理解できるようになってきてからのこのルートですよ。なんか設定変わってるし姉さん先生してるし謎の予知能力に目覚めてるし誰も死んでないしと、大きく毛色の異なるお話でした。

 終盤の予測不能な展開の連続にはだいぶ振り回されましたね...。これ本当に全部の謎が明かされるのだろうか...。まぁ、明かされるんだろうな。関節バトルもありましたが、やはりCGが無いと状況が分かりにくい。ライターのテキストの性質によるところにもあるんでしょうけど、もう少し説明を視覚的に表現する工夫があると良かったかなぁと思います。

 このルートも恋愛はかなり薄く描かれていました。このシリーズはキャラの感情や関係、掛け合いなどよりもシンプルにシナリオの面白さでぶつけてくる作品ばかりなので、キャラ萌えは難しいでしょうね。

 

紫穂ルート

 俺というのは、意志をもった重力なんだ。なつくもゆるるのテーマはここに集約されているのでしょう。それはただ単に意志が身体を重力で形成しているというだけの意味ではなく、暗喩的な意味も含んでいる。重力が人を地球に縛り付けるように、意志を生に縛り付けるのが身体であるということなのでしょう。感情が身体から生まれるように、生きようとする意志は身体があって初めて生まれる。じゃあ生きるとは何なのか。生きるとは闘うってこと。つまり闘う意志、生きようとする意志こそが生きるってこと。人の生きる意味をSF的な設定でもって説いた作品なのだなと思いました。

 とまぁこの作品の総括的なテーマ考察も挟みつつ。紫穂ルートですが、やっぱり紫穂が最後まで苦手でした。あまりにも幼い性格をしていてどうにもね...犬の鳴きまねも正直鬱陶しく思うこともありました。いや、ロリゲーとしては一番それらしいキャラクターだったのかもしれないですけど。紫穂が短絡的かつややお馬鹿な性格をしているせいで、彼女が会話に絡むとテンポが悪くて仕方ない。中盤以降の展開は面白かったものの、前半のワウと紫穂との三人行動の辺りはとにかく退屈でした。もう少し大人しい性格であってほしかったなぁというのが正直なところです。

 終盤は面白い展開だったと思います。重力関連の説明も分かりやすくかつ簡潔にまとめられていたので、そこははるくるよりも優れていたと思います。

 

総評

 はるくる同様、キャラよりも純粋なシナリオの質で面白さをぶつけてくるような作品でした。独特な戦闘も面白かったですし、キャラも前作よりは活かされていたように思います。しかし、ギャグがいたるところで挟まれ、しかもかなり冗長に展開されるのでテンポがあまり良くなかったです。はるくるは(序盤に目を瞑れば)限界まで無駄を削ぎ落したような作品でしたけど、今作はちょっとギャグがしつこい。それさえなんとかしていれば、はるくるより評価できたであろう作品でした。私ははるくるの方が好きです。

 

締め

 世間が五輪やらコロナやら何やらと騒がしい中、一人自室にこもってエロゲをしていた私です。開会式から閉会式まで一切見なかった非国民、私以外にいますか?まぁ、結構いるでしょうね。私みたいな陰キャさんがなァ!

 次は何やろうかなー。候補はあきゆめくくるかあかね色に染まる坂なんですけど。連続でハードSFを摂取するのはしんどそうですし、あかね色かなぁ。ちょっとわかんないです。

 次回がいつになるかは分かりませんが、まぁそんなに待たせないと思います。モチベーションの問題ですね。なんせ時間は腐るほどあるので。またお会いしましょう、ではではー。

 ........いや、卒論は?