あきゆめくくる レビュー

 うーす(気さくな挨拶)。 相も変わらずエロゲ三昧なセンヤです。大学四年生の最後の夏休みをエロゲだけで過ごしているわけだけど、本当にいいの?俺。

 やっとこさまた一つ作品を読み終わりました。いやー今回は結構長かった。ということで今回レビューする作品はこちらでーす。

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 前回に続きすみっこソフトさんの四季シリーズ三作目、「あきゆめくくる」。

 ちょっと「なつくもゆるる」と絵を見比べてみてください。絵の進化凄すぎないですか?ここまで変わるもんですか。ロリゲーからの巨乳ゲーという変化もあれですけど。

 これも10本1万円セールのやつですねー。多分これで半分くらいは崩しました。コスパ良すぎですねこのセール。皆さんもFANZAのセールは見逃さないようにしましょうね。

 

 

あらすじとか (公式サイトより引用)

 人工的なDNA“XNA”を組み込まれた、普通の人間とは違う能力を持つ人々が住む近未来。

 その中でも、政府から特別に危険と判断された6人の少年少女……つまり僕らは、とある都市に新設された学園に通わされることになった。

 政府から僕らに突きつけられた軟禁を解くための条件は、学園からの卒業。

 頑なに秘密とされている『ルルラン学園』からの卒業条件。
 数々の手がかりを探し出して、僕らはひとつの推測を導き出す。

 その条件とは、“ ラブコメ” すること。

 偶然女の子のパンツを見ちゃったり?
 パンをくわえた登校中の女の子とぶつかる?
 一緒にお弁当を食べたり、変な性格の妹がいたり?

 ——“ラブコメ”っていったい、なんだろう?

 人間以外の全てが同じ1日をループし続ける、狂ってしまった世界を舞台に、今世紀最初で最後の『量子力学ブコメディ』の幕が上がる!

 

 秋を繰り返した先の夢に辿り着く、その日を目指して。


 かつて、人々は闘争をした。

 『保持者』と呼ばれる人工DNA“XNA”を組み込まれた異能者達と、普通の人々の対立は、『保持者』側の敗北で終結を迎えた。
 最後の学園闘争の中心にいた人物【原島ちはや】は、その責を問われることとなる。

 隔離追放の処分を受けて辿り着いた先は、北海道の街『ルルラン』。

 量子爆弾の爆発という大事故により、全ての可能性を殺された場所。
 この街の人間は皆その形を失い、生きていながら死んでいる。
 影のような幽霊のような存在『WSP』となって、同じ時の中を延々とループしていた。

 ひたすらに繰り返される、ゴールの見えない日常。
 秘匿されている学園からの卒業条件を探して、変化を求める異能者達。

 そして目にする、ルルランの現実。
 「世界を変えたい」と願う気持ちが再び熱を帯びて、この街を救う決意をする。

 ルルランの変化に必要なものは「前に進みたい」感情であるという仮説に至り、
マンガからヒントを得たちはやは「全力でラブコメをする」ことを提案する。
 困惑しながらも賛同するメンバーは、それぞれの持ち味を活かしたイベントを経て、日常生活を恋と友情に溢れた青春の日々へと変化させていく。

 そして、大掛かりな王道イベントである学園祭の発案。
 学園祭の準備を進めながら触れ合う時間の中で、少しずつ開いていく過去の傷跡。

 闘争を経て、仲間の保持者達の未来を奪ってしまった【伊橋歩】の苦悩。
 自らの保持者としての能力で、意図せず多くの人を殺してしまった【小高柚月】の後悔。
 保持者としての欠陥と、自覚のない二重人格のような症状に苦しむ【土織キス】の哀傷。
 記憶を失う前は猟奇殺人者であったという事実を抱える【佐々木沙織】の困惑。

 ルルランと自分達を変えるため、苦しみながら、傷付きながら。
 ちはやは彼女の手を取り、この街の真実を追い求める。

 秋を繰り返した先の夢に辿り着く、その日を目指して。

 

ネタバレなしの感想

シナリオ     B+  前二作よりもラブコメの比重が大きく、心地良い塩梅

キャラクター B+  相変わらずのぶっ飛んだキャラ達

CG          A    絵師さんの進化が凄まじすぎる

音楽     B     BGMの切り替えが頻繁すぎてやや不快だったかも

総合評価   B+   個人的にはシリーズで一番好き

 

 前二作と比較して、ラブコメがかなり強化されました。個人的には好みなバランスだったので一番楽しめたのですが、はるくるやなつくるのような重厚なSFベースの物語を期待している方にはやや物足りないかもしれません。ちなみに、SF要素の難解さで言えばトップレベルでした。

 

ネタバレあり感想(一部はるくる、なつくるのネタバレあり)

 

共通 B+

 前二作と比べて、かなり私好みの雰囲気でした。量子力学ブコメディと銘打ってあるだけあって、SFと恋愛の比重が前作までと大きく異なっているように感じます。いつも通りの小難しいSF要素もしっかり基盤になっているのですが、その舞台設定の中で恋愛を主軸に展開しようとしている。先の展開への興味を引っ張るSF設定とラブコメが上手く同居しているなぁと思いました。先述のようにSFと恋愛の比重が前二作と大きく異なるため、今作は評価が二分しているみたいですが、私は圧倒的に賛です。

 ただ、コメディパート一つ一つの場面がやや冗長すぎるのは気になりました。せっかく先の気になる設定をしているのに、コメディに尺を割きすぎていてやや気勢を削がれてしまいました。コメディもこの作品の重要なテーマの一つなので、大事にしているのは分かります。ただ、それならそれで細かく切り分けて入れるなどの工夫が欲しかったところです。

 共通時点だとキス>みはや>歩>柚月>沙織>ノアの順で好きです。やっぱ巨乳に紛れる貧乳って最高だよな!な!

 

歩ルート B+

 歩に対する第一印象は「君、はるまでくるるにいたよね?」だったのですが、話を進めていくうちにこの印象が間違っていなかったことが分かってきました。もしかしたら、あえて静夏に似せた部分もあるかもですね。あちらもたしか静夏にリーダー適正があるという話だったと思うのですが、あえてキャラを似せることで「一人の人間に重責を背負わせることの残酷さ」を問うお話にしたかったのかなと。

 今作は恋愛の比重が大きいみたいなので、なつくもよりは大人しいお話になるのかなと思っていたけれど、全然そんなことはなかった。過去を変えようとしたり千切れた肉片を媒介にタイムリープしたり世界と同化したりと、やってることは分かるものの超展開の連続だったように思います。こういうぶっとんだ設定を活かした話づくりが四季シリーズだよなぁ。結構面白かったです。

 歩は可愛い幼馴染でした。少し舌足らずっぽい声とかコッテコテな幼馴染属性とか、たまらんです。やっぱり幼馴染って最強なんですよ。何で私の人生には幼馴染がいないんだろうなぁ。

 

キスルート B

 桐谷華最強!桐谷華最強!なルート。

 どうもこの作品、ギャグシーンが間延びしているような印象を受けます。なかなか話が前に進まない...。シリーズを重ねるごとにギャグの挟み方が下手になっているような気が。ギャグの質自体は上がっているんですけどね。なつくもはシリアスの中に無駄にギャグを挟むもんだから酷くだれていたし、今作では一つ一つのギャグシーンが長すぎる。キスルートでこれは顕著だったように思います。

 お話ですが、よく分からんというのが正直なところです。えっと...キスはウイルスで...一度暗黒期になってワスプに感染した?主人公にも感染しかけたけど主人公がワスプになってキスは主人公になった?何故か腕の一部が消えていて他の世界を認識できるようになった?土織さんはウイルスで人間が滅びるのを待っていた?

 

 ふーん、へぇ......なるほどね?????

 

 今作は何度も言うように恋愛とSFの比重が大きく異なっているのですが、SF部分の難解さは過去作と比べても群を抜いているなぁ、と思わせられるルートでした。現在が過去を決めるという設定は斬新で面白いんですけど、量子力学は直感で理解できないので上手く呑み込めない。ようやく理解したと思ったら斜め上の超展開が続くというね。いや、面白かったですよ。

 あと、キスちゃんはめちゃくちゃに可愛いんですけど、天邪鬼な部分が目立ちすぎてイチャイチャが少なかったのがやや残念です。

 

柚月ルート B

 共通時点で既にやばさの片鱗を見せつけていた去勢ノーパンさんルート。

 正直言って舐めてた。予想を遥かに超えたぶっ飛んだ展開が待ち受けていました。ワスプさんの前で全裸になるヒロイン、続くアナルセックス、そしてワスプさんが宇宙人だったとかいう衝撃展開...。これまでの四季シリーズは、あくまで現実の延長線上にある程度のSF(なつくもはファンタジーな展開でしたけど、あれは別宇宙へ行くための理屈を重力に交えて説明していたのであくまで科学の範疇といった印象です)だったので、純度100%なファンタジー設定が出てきたのはびっくりしました。だから、今でも正体が宇宙人というのは信じられないでいる....。

 柚月自体は可愛いですが、「~なの」という語尾が少し鬱陶しく感じてしまった...。擾乱の引金になってしまった負い目から可能性を閉ざす発言ばかりしていた柚月がワスプとの共存の道を探す=新たな可能性を模索するようになる、という構成は良かったです。ようやく前を向けるようになったんですね...。

 さおりん除く三人のルートの中で一番ぶっ飛んだルートでした。まぁ面白かったといえば面白かったのですが、これまでプレイしてきて薄々感付いていた「四季シリーズのノリが合わない」疑惑がはっきりしてしまった。はっきり言おう。

 

 私は四季シリーズのノリが好きじゃありません!!!!!!!

 

 いやね、気付かないふりして最後まで進めたかったんですけどね...。好みじゃないと分かっている作品を最後までやるって、モチベーション保つの大変ですからね...。

 まずテキストが苦手なんです。「あっ」とか「うあ~」みたいな感動詞が凄く多くて、それが好きじゃない。単語を狂ったように繰り返す演出も最初は面白かったですが、そう何度も多用されるとなんだかなぁ...と。下ネタだらけなノリもあんまり。ぬきたしみたいに笑える下ネタなら大歓迎なんですけど、そこまでハイセンスなわけでもなし。総じて私向けではなかったということなんでしょうね。ノリが合えばすごく楽しい作品だとは思います。シナリオ自体はすごく良く作りこまれていますからね。ノリが合わない私が三作目であるあきゆめくくるまで読み進められているのは、一重にシナリオの質の高さ故と言っていいでしょう。

 

沙織ルート A

 私服の着こなしがえぐい人。絶対伸びちゃってるよあの服。胸の部分だるんだるんだよあれ。

 正直びっくりさせられました。共通時点ではなんかやばい人だなとしか思ってなかったのに、こんなに可愛くなるなんて。主人公を好きになって、恋愛に傾倒していくようになる様子が可愛くて仕方なかったです。これもギャップ萌えみたいなもんですかね。ただの酒飲みおっさんじゃなかった。

 このルートでようやくだいたいの真相が明かされました。世界を終わらせたがっていたサトリが一番ラブコメをしたかった、というオチは予想できましたが面白かったです。主人公は同じ立ち位置の人がいれば僕じゃなくても好きになっただろう、みたいなことを言ってましたけど、私は違うなと思いました。サトリに頭を潰されなかったちはやには興味を持てなかったみたいですし、同じ存在だったからとかそういうのは建前に過ぎず、本当に心の底からちはやという人間に恋していたんだろうなぁと。この作品、要はめちゃくちゃ不器用な女の子のお話だったんでしょうね。沙織ルートでようやくサトリを正しく見ることが出来るようになり、一気に魅力的なキャラになりました。

 ルートの最後に幼年期のコスモス畑での問答のシーンが挟まっていましたが、あれってサトリルートの可能性という描写なんですかね?それとも隠されていただけで、全てのルートで通ってきた過去なんですかね?前者であることを望むばかりです。

 ここまでやってきてよかったと思える素晴らしいルートでした。

 

 

総評

 前二作と違いルート分岐方式になり、より恋愛が強化された本作ですが、負けず劣らず楽しめたとても良い作品でした。

 SFをここまで上手くラブコメに落とし込んだ作品も中々ないでしょう。どのルートでも量子力学にまつわる難解な設定が下敷きになっていますが、それらの設定を踏まえた上で、しっかりラブコメに帰結させられています。「なつくもゆるる」のりねルートをより煮詰めたみたいな。個人的に恋愛とSFの塩梅は今作が一番好きでした。

 ギャグが少し好みを外れていたので退屈気味だったという点はあるのですが、四季シリーズだと一番好きな作品だったと自信を持って言えます。

 ふゆくるも楽しみにしてまーす!

 

締め

 お金が無い。残高1万8千円。爪に火を点すような生活を続けている。このままでは娯楽が尽きて飢え死にしてしまう。現代人は娯楽も重要な栄養素なのです。定期的に摂取していかないと命に関わる。

 色々アルバイトを探してはいるんですけど、中々見つからず。四年生故に長く働けないから企業も欲しくない、よって中々見つからないのであって、決して私が無能でコミュ障で童貞だからではないです決して。童貞は関係あるかなぁ...。

 次のゲームは「涼風のメルト」です。これも一万円セールの時の積み残し。最近モンハンストーリーズ2を始めたので(臓器売って金に換えた)ペースは落ちると思いますが、気長にお待ちくださいませ。どうでもいいけど、発売から何年も経ったゲームのレビューを今更書くのって需要なさすぎませんか?もしかして気付いてはいけないことを気付いてしまったかもしれない。

 ではではー。